
コンサートや演劇を観に行ったとき、私たちはつい「完璧なもの」を期待してしまいます。
演者は「間違ってはいけない」、観客は「完璧であるべき」と、どちらも気づかぬうちに思い込んでいるのではないでしょうか。
けれども、現実にはどんなに練習を重ねても、舞台の上には“ハプニング”がつきものです。
たとえば、演奏会でピアニストが鍵盤を弾き間違えたり、舞台俳優がセリフを飛ばしてしまったり…。
そんな瞬間に、客席から「えっ…」と空気が固まることがあります。
観客も「完璧」を期待していた分、少しがっかりしてしまうのです。
でも、視点を変えるとどうでしょう。
ミスをした後の演者が必死に立て直す姿、仲間がさりげなくフォローするやりとり――それこそが二度と見られない「生もの」の魅力ではないでしょうか。
「今日は特別な瞬間を一緒に体験できた」と思えたら、観客の心は逆に大きく動かされます。
ハプニングを楽しむための工夫をいくつかご紹介しましょう。
ハプニングを「失敗」と捉えるか「貴重な瞬間」と捉えるかで、体験の意味は大きく変わります。
そのための心の持ち方として、いくつかの方法があります。
リフレーミング
「失敗した」→「生きている舞台だからこそ味わえた瞬間」と言葉を置き換えてみる。
ユーモアを持つ
「おっと、今のもアレンジだったのかも」と、笑いに変えてみる。
変化を楽しむ視点
同じ演目でも毎回違うのが舞台。変化そのものを楽しむつもりで臨む。
「自分もそうなるかも」と重ねる
自分も日常でミスをする。そのとき「温かいまなざし」で受け止めてもらえたら嬉しいはず。演者への共感が生まれる。
「まちの保健室」の3つのルールを日常生活にも活かしましょう!
結果的に、ハプニングを楽しむには日常の心の姿勢が大切です。
「まちの保健室」では次の3つのルールを大切にしています。
なんでもOK
答えがなくてもOK
へー、そうなんだと受け入れる・受け止める
この3つの姿勢は、演者と観客の間だけでなく、私たちの暮らしや人間関係でもとても大切です。
ハプニングを恐れるのではなく、「楽しめる心」を育んでいきたいですね。
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