9/4のまちの保健室(ハプニングを楽しめる心を育もう)

コンサートや演劇を観に行ったとき、私たちはつい「完璧なもの」を期待してしまいます。

演者は「間違ってはいけない」、観客は「完璧であるべき」と、どちらも気づかぬうちに思い込んでいるのではないでしょうか。

 

けれども、現実にはどんなに練習を重ねても、舞台の上には“ハプニング”がつきものです。

たとえば、演奏会でピアニストが鍵盤を弾き間違えたり、舞台俳優がセリフを飛ばしてしまったり…。

そんな瞬間に、客席から「えっ…」と空気が固まることがあります。

観客も「完璧」を期待していた分、少しがっかりしてしまうのです。

 

でも、視点を変えるとどうでしょう。

ミスをした後の演者が必死に立て直す姿、仲間がさりげなくフォローするやりとり――それこそが二度と見られない「生もの」の魅力ではないでしょうか。

「今日は特別な瞬間を一緒に体験できた」と思えたら、観客の心は逆に大きく動かされます。

 

ハプニングを楽しむための工夫をいくつかご紹介しましょう。

 

ハプニングを「失敗」と捉えるか「貴重な瞬間」と捉えるかで、体験の意味は大きく変わります。

そのための心の持ち方として、いくつかの方法があります。

 

リフレーミング

 「失敗した」→「生きている舞台だからこそ味わえた瞬間」と言葉を置き換えてみる。

 

ユーモアを持つ

 「おっと、今のもアレンジだったのかも」と、笑いに変えてみる。

 

変化を楽しむ視点

 同じ演目でも毎回違うのが舞台。変化そのものを楽しむつもりで臨む。

 

「自分もそうなるかも」と重ねる

 自分も日常でミスをする。そのとき「温かいまなざし」で受け止めてもらえたら嬉しいはず。演者への共感が生まれる。

 

「まちの保健室」の3つのルールを日常生活にも活かしましょう!

 

結果的に、ハプニングを楽しむには日常の心の姿勢が大切です。

「まちの保健室」では次の3つのルールを大切にしています。

 

なんでもOK

 

答えがなくてもOK

 

へー、そうなんだと受け入れる・受け止める

 

この3つの姿勢は、演者と観客の間だけでなく、私たちの暮らしや人間関係でもとても大切です。

ハプニングを恐れるのではなく、「楽しめる心」を育んでいきたいですね。