7/31のまちの保健室(ハッと気づく鳩の話)

日々の生活のなかで、ついイライラしてしまう相手――

思い通りに動いてくれない人、空気を読まない人、なんでもコントロールしようとする自分。

そんなとき、ある人が教えてくれた対処法があります。

 

「コントロールできない人間を“鳩”だと思えば、気にならなくなるよ」

 

街角の鳩は、突然飛び立ったり、人の目の前をふさぐように歩いたり。

それに腹を立てる人は少ないですよね。

「ああ、鳩だもんね」とスルーできる。

それと同じように、イライラの対象を“人”としてでなく“鳩”として認知することで、距離が取れるという考え方です。

これは一種の認知行動療法のアプローチでもあります。

 

ただ――

こだわりの強い人にとっては、この方法が逆に難しく感じられることもあります。

たとえば、「あの鳩は近寄りすぎる」「あの鳩は図々しい」などと、

“鳩”にも優劣をつけてしまい、純粋に「ただの鳩」として見ることができなくなることがあるのです。

 

でも、ここでひとつ、とても大切なことがあります。

たとえ「鳩として見る」ことがうまくできなかったとしても、

その方法を“やってみた”という行動そのものが、とても尊いことだということ。

 

こだわりを持つ人が、自分の考え方を少しでも変えてみようと行動したこと。

その行動力は、心から称賛されるべきことです。

 

そして、やってみて「合わなかった」という結果が出たことも、意味のある一歩です。

なぜなら、「合わない」とわかった時点で、次に試すべき方向が見えてくるからです。

それは、前よりも確実に前進している証拠です。

 

どんな悩みにも“これ一つでOK”という万能薬は存在しません。

人にはそれぞれの向き・不向きがあります。

 

うまくいかない自分に、がっかりしなくて大丈夫です。

自己嫌悪にならなくて大丈夫です。

一歩ずつ、自分に合った心の持ち方を、見つけていけたらいいですね。

そのお手伝いを「まちの保健室」でできたらといつも思っております。