
日々の生活のなかで、ついイライラしてしまう相手――
思い通りに動いてくれない人、空気を読まない人、なんでもコントロールしようとする自分。
そんなとき、ある人が教えてくれた対処法があります。
「コントロールできない人間を“鳩”だと思えば、気にならなくなるよ」
街角の鳩は、突然飛び立ったり、人の目の前をふさぐように歩いたり。
それに腹を立てる人は少ないですよね。
「ああ、鳩だもんね」とスルーできる。
それと同じように、イライラの対象を“人”としてでなく“鳩”として認知することで、距離が取れるという考え方です。
これは一種の認知行動療法のアプローチでもあります。
ただ――
こだわりの強い人にとっては、この方法が逆に難しく感じられることもあります。
たとえば、「あの鳩は近寄りすぎる」「あの鳩は図々しい」などと、
“鳩”にも優劣をつけてしまい、純粋に「ただの鳩」として見ることができなくなることがあるのです。
でも、ここでひとつ、とても大切なことがあります。
たとえ「鳩として見る」ことがうまくできなかったとしても、
その方法を“やってみた”という行動そのものが、とても尊いことだということ。
こだわりを持つ人が、自分の考え方を少しでも変えてみようと行動したこと。
その行動力は、心から称賛されるべきことです。
そして、やってみて「合わなかった」という結果が出たことも、意味のある一歩です。
なぜなら、「合わない」とわかった時点で、次に試すべき方向が見えてくるからです。
それは、前よりも確実に前進している証拠です。
どんな悩みにも“これ一つでOK”という万能薬は存在しません。
人にはそれぞれの向き・不向きがあります。
うまくいかない自分に、がっかりしなくて大丈夫です。
自己嫌悪にならなくて大丈夫です。
一歩ずつ、自分に合った心の持ち方を、見つけていけたらいいですね。
そのお手伝いを「まちの保健室」でできたらといつも思っております。
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